自社Webサイト起点での問い合わせ獲得を強化。
プロ人材の伴走でKPIを軸とした運用が定着し、
問い合わせ数が2倍以上に。
企業
社名:静岡鉄道株式会社
所在地:静岡県静岡市
業務内容:鉄道・索道事業、不動産事業、ビジネスホテル事業、附帯事業(広告・ゴルフ場・リゾートホテル・介護・カード)
従業員数:500〜1,000名未満
プロ人材
名前:Aさん(副業)
居住地:埼玉県
本業の業種:流通
本業の仕事:プロジェクトマネジメント
本業の従業員数:8,000名~10,000名未満
<プロ人材としての活動>
業務内容:Webサイトの現状数値分析、KGI/KPI設定、施策立案、運用
活動頻度:業務量に応じて実施
活動方法:リモート
- 法改正とコロナ禍を機に、
自社Webサイト起点での利益拡大を目指すことに。 - 依頼の決め手は、不動産領域でのサイト運用経験と、
相手に合わせたコミュニケーション。 - 計測基盤整備からKGI/KPI設定、広告出稿戦略、
制作調整まで幅広く対応。 - 問い合わせ数が2倍以上に。
運用改善と内製化の基盤構築も前進。
1)プロ人材活用の背景
法改正とコロナ禍を機に、自社Webサイト起点での利益拡大を目指すことに。
当社は、100年以上にわたり地域社会の発展に貢献することを理念とし、鉄道事業を基盤としながら、不動産、ホテル運営、広告制作、介護事業など多岐にわたる事業を展開してきました。今回プロ人材を活用した「不動産ソリューション事業部」では、街づくりを推進する中核として、不動産事業の戦略策定や新規事業の立ち上げを主導してきました。
2022年、宅地建物取引業法の改正により、書面が必須だった契約手続きの電子化が解禁。加えて、コロナ禍を背景に、オンラインでの顧客接点の重要性が急速に高まりました。こうした市場環境の変化を受け、当社は不動産事業拡大に向けて、物件情報を扱う自社Webサイトを起点に、Webマーケティングによる利益の拡大に注力する方針を固めました。
これまでは、自社Webサイトの運用・改善体制は十分とはいえず、事業拡大の機会としてうまく活用しきれていない状況でした。さらに、サイト運用やWebマーケティング戦略の立案・実行を担う専門人材が事業部内にいないことも大きな課題でした。
一方、求めるスキルは高度でありながら、業務量やコストを踏まえると、正社員を採用するのはハードルが高い状況です。また、地方に拠点を置く企業にとって、ITやWebマーケティングなど専門性の高い人材を継続的に採用し、社内に定着させることは容易ではありません。そこで当社は、まずは採用にこだわらず、外部の力を活用することを検討しました。
2)応募状況・決め手
依頼の決め手は、不動産領域でのサイト運用経験と、相手に合わせたコミュニケーション。
検討を進める中で、人事部に相談したところ、「プロ人材活用」という手法を提案されました。過去に社内での活用実績があり、必要なスキルを持つ人材を必要な期間だけ柔軟に迎え入れられることから、リスクを抑えつつ事業課題を解決できると判断しました。
依頼内容は、自社Webサイトの現状分析からKGI/KPIの設定、施策立案、運用までを一貫して想定。特に重点を置いていたのは大きく二点です。一つ目は、目標設定です。これまで閲覧数などの指標管理が十分ではなく、現状の可視化から着手する必要がありました。二つ目は、広告代理店との折衝における「通訳」としての役割です。出稿タイミングや訴求内容、制作物の具体などを、代理店任せにしていたため、知識のギャップが生じ、意思疎通が滞るという課題を抱えていました。そのため、このギャップを埋め、双方の意図を正確に伝える役割を期待していました。
これらの要望をもとに3名の候補を紹介いただき、全員と面談を実施。最終的には、不動産関連のWebサイト運営経験を持つAさんに依頼することに決めました。面談では、豊富な実績やスキルに加え、当社の課題に対する具体的なアプローチについてプレゼンテーションしていただきました。質問や相談に対しても、課題の本質を捉え、当社の状況に合わせてわかりやすく答えてくださる姿が印象的で、大きな安心感と信頼感を抱きました。
3)依頼した業務、業務を進める上での工夫
計測基盤整備からKGI/KPI設定、
広告出稿戦略、制作調整まで幅広く対応。
協業開始後はまず、現状把握から着手しました。これまで指標管理が十分ではなく、現状がよいのか悪いのか判断できない状態だったため、必要な数値の取得体制を整えるところから開始しています。Aさんに「データをどう取得し、どう分析するか」といった基礎からアドバイスいただき、計測に必要な設定や運用方法を整備しました。計測を並行して進めつつ、まずは半年の目標をKPIとして設定しました。同業他社のサイトの閲覧数や問い合わせ数について仮説を置き、その前提を踏まえて、当社が半年で到達すべき水準を具体化しています。なお、当プロジェクトでは、「自社Webサイト経由の問い合わせ数」を最優先のKGIとして追う方針です。その目標達成に向けて、予算内でどのようなアクションを実行するか議論していきました。
施策として、Web広告はキャンペーン型を中心とし、「売却応援キャンペーン」など、季節性・市況を踏まえた訴求を設定しました。また、当時不動産事業が60周年を迎えるタイミングだったため、周年キャンペーンと連動させたWeb広告施策も展開しました。これまでもこうしたキャンペーンは実施していましたが、効果測定が不十分で、反響が乏しくても運用を継続してしまう、クリック数が低くても切り替えられないといった課題がありました。そこでAさんのアドバイスを受け、より効果的な広告代理店の検討・選定と、Web広告の出稿戦略までを再検討。成果を見ながらPDCAを継続し、「悪ければ変える・やめる」を徹底できるようになりました。また、デザイン面でも訴求の焦点を絞るなど、中庸な表現を避けて、効果の最大化を目指しました。
運用を重ねる中で、流入は増加する一方、直帰率が高いという新たな課題が見えてきました。そこで、Aさんの提案に基づき、ユーザーの定着を促すための施策としてお役立ち情報の記事コンテンツを拡充。併せて、サイト内検索性の向上を目的とした改修にも着手しました。
Aさんとは週に一度のオンラインミーティングに加え、ビジネスチャットツールを活用しています。ミーティングの前後には、互いに担当するタスクを共有。業務を進める中で生じる疑問点を相談するなど、密なコミュニケーションをとっています。
4)得られた成果
問い合わせ数が2倍以上に。
運用改善と内製化の基盤構築も前進。
Aさんにサポートいただいたおかげで、想定以上の成果を得ることができました。契約開始から約1年で、問い合わせ数が2倍以上に増加。閲覧数など、そのほかの主要指標も軒並み伸長しています。
当初期待していた「広告代理店と当社間の通訳」という役割も的確に担っていただき、自社の状況を踏まえた調整により、意思疎通が格段に円滑になりました。軽微なWebサイトの修正や制作も迅速に対応いただき、そのスピード感と対応力に助けられています。
さらに、事業部内の意識にも変化が生まれました。これまでは「Webサイトは作って終わり」という傾向がありましたが、数字を管理し、データで運用を改善する考えが浸透しつつあります。
現在もAさんにはサポートいただいており、半年ごとに成果を振り返り、次半期の目標を設定しながら取り組みを続けています。年次でデータが蓄積されたことで、対前年比の評価ができるようになり、施策の幅も広がりました。
当初から、プロ人材に依存し続けるのではなく、最終的には自走できる組織体制の構築を目指していました。約2年をかけて基礎が整ってきたため、今後は、Aさんから得た知見を定着させつつ、社内で判断と実行ができるマーケティング体制を整備していきます。
「関係社員」という新たなはたらき方の可能性。
雇用形態に縛られない人材活用を推進。
今回の経験を通じて、事業を前進させるためには、正社員という雇用形態や社内リソースに固執せず、当社と同じ方向を向いて共にコミットしてくれる社外の専門家の力を借りることが重要だと実感しました。
近年、首都圏ではたらく会社員が地方企業で副業する「関係社員」の概念が注目されていますが、Aさんとの協業は、まさにその理想的なモデルケースだと言えます。地方ではまだハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、当社は多様なはたらき方を積極的に受け入れ、静岡における「関係社員」を増やす先進的な企業でありたいと考えています。